M38の詳細について

昔、コレクターズマガジン「PX」にM38の解説がありました。白石さんかと記憶しています。今回このM38を現地で見極める事ができたのはPXのおかげです。
この初期型M38は立川の軍関係者が入札前に手に入れた車両で帰国の際、千葉のH氏が購入されたとの事です。
H氏は関東ではミリタリージープの先駆的な存在でした。日本ジープセンターの黒岩社長もH氏の影響でこの世界に入ったと懐かしそうに話していました。
ちなみにエンジン、ミッションは田村社長が仕上げたもので、ほとんど新品に近い状態との事ですが、10年以上経った今は、回す前には一度ばらして見る必要があるでしょう。
現在工場の片隅に放置しているため、埃だらけであり、下にもぐってフレーム補強などとても撮れませんので、画質の悪さについてはご容赦ください。
タイダウン・ループ
フレームの先端と中央部に左右計4個付く
パーツマニュアルを見たらJ4CにもJM06091記載がある
シャックルとマフラー
フロントとリアバンパー内部(写真)に付く
マフラーも右後方から出ます。これから煙突が立ち上がるか、小さな部品ですが側面へ出るマフラーが付きます。
フレームの先端
小さく見える2つの穴はウィンチの取付穴

ブラケットはグリルの開閉のためのピンです。

スプリングは、MBのもので10枚あり初期である目安となります。
何の穴?
ダッシュボードの運転席側、サイドブレーキのステッキと右側中央にプライミングポンプがみえる。(説明は省く)
問題は、ダッシュボードの左下のボタンです。白石さんの説明では用途不明だが穴があるのがM38の特徴とあると記している。確かにCJ3Aにはこの位置にはない(ダッシュボードの形も違うのだが)、スィッチの頭には「DEF」との表示がありました。そのうち調べておきます
DEFと見えますか、ワイヤーではなくON/OFFです
防水レギュレーターのステイに合わせて出っ張っている。
ツールボックス
3つの四角いものは消火器の取付金具というのが有力です
ツールボックスの前面にはJEEPの浮き文字がある。
通気用のルーバーがないのは後期タイプ、ルーバーが付くのが初期、でも製造期間が2年の車両に前期も後期もあるのでしょうか。
正確には初期型と量産型(後期)が正解でしょう。
ちょっとわかりづらいと思いますが、助手席を上から見たところです。
よく見ると楕円の溝が見えます。これはMB/GPWのマフラー取付の補強です。
これはMBの名残でしょうか。
このくぼみもオリジナルの証明となります。

左上のミッションカバー端に蝶ねじがかろうじて見えます。これはここからガソリンヒーターの熱風が出てきます。
リアハウス
フットマンループがありますが、J4にもあることを見るとCJ3Aの名残ではなさそうです
たしか写真で、折りたたんだドアとサイドカーテンをここに固定していたのをみたことがあります。
タイヤハウス手前のフットマンループはCJ3Aのハーフ幌の固定にも使われています。
やはり使用は民間用なのでしょうか。
これも見づらいですが、床にある溝
これはCJ3Aの名残であり、溝の中央にフットマンループが付き、幌の固定に使用していたものです。
M38のホィール
M38のホィールは下のホィール(J4)と異なり、ボルトの周りが盛り上がっています。
補強なのでしょうが、非常に弱く締付けるとすぐ曲がってしまいます。
ちなみにJ4のホィールです。
スペアータイヤのロック用穴があります。
面取リアスプリング
12枚あるのがわかるでしょうか。ちなみにフロントスプリングは量産型からMBのバンドではなくU型の部品が付きます。
コーションプレート

MBと同じにダッシュボードに直接取付けてあります。これは初期型です。量産型はプレートの上にコーションプレートが付きダッシュボードに貼り付けてあります。別な量産型M38を見ましたが、プレートの位置に丸い穴が開いていました。
メーターパネル
じつにオリジナルが付いています。

スピードメーターの上に、切り口があります。これもオリジナルの目安です。
スペアタイア取付穴
右側後方にスペアタイヤが付きます
上からトップボウの固定用 フットマンループ スペアタイヤブラケット
リフレクターの穴です。
タンクキャップ
トップボウのステイ
よく固定用の蝶ねじを外側から付ける人がいますが、その防止のためなのでしょうか
リアびゅー
トレーラー用ソケットはある事情で外していますが、ボルトは六角ボルトではありません
スペアータイヤステー
サイドにも取付けられるように分割できるのですが、あまり良い設計ではありませんね
電源取り出しとシュノーケル

ボンネットサイドの切り口はオリジナルです。
シュノーケルとそのステー
このホースを探して、気が付いたらバキュームカーの後を追ったことはありませんか
MB/GPWに比べると溝が深いです
奥の箱はバッテリーケース
ラジエターグリルの補強板
これも写真などで判断する材料です。
スポット痕
オリジナルかフィリピンかは良くスポット痕で判断します
それにしてもシャープなスポット痕です。MB/GPWもここまでは
シャープではありませんが
防水タイプのゴーデビル
防水デスビーとオイルクリーナーが見えます。
ヘッドの上の丸い金具は吊り上げアイボルトです。
防水レギュレーター
ファンベルトはWなんですね
バッテリーケース
M38のキャブレター

このキャブは使わないで置いておくと調子が悪くなります。田村さんはよくMBのに替えたほうが良いよ、が口癖です。

ホーンの取り付け位置も定一
燃料ポンプとバキューム
防水のための配管なのですが、レストアは苦労しそうです。
M38はプレスですが、MB/GPWはダイキャストです。
コストダウンでしょうか。

これ以外に、フレームの補強(リアアクスルの真上)とリアフレームの鉄板が二重になっています。
GPWのフロントアクスル

ダイキャスト製 Fマークは裏側についています。
GPWリアアクスル

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